サラリーマンの厚生年金保険料

 

厚生年金保険料の等級が上がると損?

 

  • 厚生年金保険料は、基本4,5,6月の給与で等級が決定され、等級に応じた厚生年金を天引きされることになります。

 

  • 等級は給与額に応じて段階的に決まるので、1円の差が、年間数万円の保険料の差になります。

 

  • 20代や30代では、気持ちとして損したと思うのも無理はありませんが、40代以上であれば、老後の生活不安が叫ばれる昨今にあって、できるだけ沢山厚生年金保険料を納めることはプラスだと考えていいと思います。その理由は、

 

  1. 厚生年金は終身年金ですので死を迎えるまで所定の年金が支給されます。死ぬまでは所定の年金が受け取れる訳ですから、長生きして先細っていくというジレンマを解消してくれます。
  2. 加えて、厚生年金保険料は会社が納めた保険料と同じ額を支払いますから、終身年金の掛金が実質倍になります。 
  3. とても大雑把ながら、納めた保険料(掛金)が65歳から十年程くらいで返ってくる計算になります。従って、75歳より長生きしそうであれば、保険料支払わずに貯金するより得になるわけです。老後の資金を心配して貯蓄するのでしたら、不幸にも75歳を前に亡くなれば確かに損となりますが、平均寿命くらいまで生きて、かつ、さらに長生きしても死ぬまで年金が保証されます。確かに、年金制度改正、税金、経済インフレなど不確定要素はありますが、これは他の民間保険や投資でも影響するところであり、掛金に対して戻ってくる年金額を考えると厚生年金保険は割がいいと言えます。

 

 人生、なんらかの資金が必要なことが多いでしょうから一概には言えませんが、保険料を会社が払ってくれて倍になり、終身で受け取れる厚生年金保険は、民間の保険に加入するくらいならできるだけ沢山納め’ させてほしい!’ くらいに思います。

 

 公的年金なんて下りるかどうか分からない と言われますが、もし、老後の資金の心配をするのであれば民間の保険会社よりは安定していると判断できて、配当(年金額)も高いのが公的年金です。

 

 (概算例)

 あくまで目安として保険料(掛金)と受取れる年金(配当)について記します。

 

<掛金>

  • 厚生年金(基礎年金を含む) 平均月3万円 × 40年 ≒ 1400万円

  (生涯平均月給与30万円程度、賞与含まず)

 

 

<配当>

  • 基礎年金+厚生年金 平均月17万円 × 15年 ≒ 3000万円

  (65歳から受給して、男性平均寿命まで15年)

 

 様々な法改正や経済環境の変化はあるでしょうが、10年弱で掛金が全額戻ってきて、それを過ぎれば『亡くなるまでプラス配当され続ける』厚生年金制度。保険料を支払う価値はあるようにも見えます。

 

(上記は、健康保険料を掛金に含めていません。また、基礎年金は報酬によって変動しませんから、報酬月額増分に対しての年金増分として戻ってくる率は、報酬が増えるほどに小さくなります。従って報酬月額増に伴った掛金を厚生年金(所謂二階建て部分)として受給することを考えると大雑把に20年くらい経たないとペイしません。しかしながら厚生年金に加入している以上、強制的?に基礎年金を受け取ることになりますので配当には基礎年金分を含めて考えるのも一法かと思います。さらに、上では扶養配偶者(ex.専業主婦)がある場合、該当者は国民年金を納めずとも(=掛金ゼロで)基礎年金を受け取ることができます)