早期退職へのテイクオフ準備

 早期退職にあたり私なりにできる限り精緻なシミュレーションを繰り返しました。

しかし、予想はあくまで予想でなにが起きるか神のみぞ知るです。

 

 近年の流行語?に、BCM(事業の継続性を予測制御する)といのがありますが、個人にとってこそ重要な事柄です。だれかの助けを得ることなく自ら対応できる範囲はどこまでなのか。また、どう対応するのか、不測事態発生時にはライフスタイルをどのように変える(悪化することが多い)のかについて考えることなく離職する器は私にはありませんでした。

 

 ちなみに、社会人になったころには、健康さえ担保されればどうにでも食べていけると大真面目に信じていました。若年で長期にわたって病気になるとすれば死んでしまうことがほとんどだろうと見切ってしまう無謀さと勢いがありました(なので、生命保険には一切加入しませんでした)。また、戦争については極めてお粗末な理屈として、徴兵されても戦場には立つ可能性の少ない職業を選びました(勿論これは後付けのようなもので、好きな職業がそういう性質だったので、自分を納得させていただけです)。

 

 しかし、半世紀も生きていると、なんでも働いて食っていってみせるという自信は喪失してしまいました(笑)。一方りっぱなおっさんとなり徴兵される心配はありません。

脱線しますが、平和であったことに感謝したいです。さて、閑話休題。予想できないなかで、どんなことが想定できるのかできないのか、想定できるのであれば、どこまでの対応策を考慮すべきかについて記します。

 

 

【想定しにくい事はなにか】

 

最も懸念すべき不確定要素には、どんなものがありそうで、対応できるか否かを見極めてみます。

 

  1. 天変地異        :地震、火災
  2. 戦争、治安の著しい悪化 :他国の侵略、内戦、無政府もしくは圧政状態
  3. 経済の変動       :極端なインフレーション、金融信用崩壊
  4. 健康          :障害、長期疾病、高額医療費、公衆衛生環境の悪化

 

【想定しがたい項目にどう対処できるか、できないか】

 

順に見ていきます。死んでしまえばそれ以上のことは考えません。

 

 1.天変地異:傷病については、生きている限り治癒するとします。問題は住居を失うことです。火災は局所的で、地震も壊滅的被害(住居倒壊)は、半径10km以内で発生するとします。とするなら、20km以上離れた場所に居住できる態勢を整えておくべきです。(早期退職であり、平均余命までは、いままで生きてきたよりも長い期間ですから、生起確率として無視するのは危険だと判断しました)

 

 富士山噴火、日本沈没(古いです)のような事態には対処できないものとします。

 

 

 2.戦争、治安の著しい悪化:これについては、海外へ難民となって避難するくらいしか対応策が浮かびません(いままでは、幸せな環境で生きてこられたことに感謝します)。海外移住となれば、どのくらいの費用と手順が必要になるのか・・・。ペンディングというより、退職してしまってからでは対処のしようもなく、甘んじる覚悟もなく、・・・・答えが出ません。したがって、対処できないとせざるを得ません。

 

(難民、移住民問わず海外へ離脱するのであれば為替レートとその時点での持ち出し可能な流動性資産を考慮すべきです。年老いたからといって甘んじる覚悟ができるとは思えませんが、先立つものがない場合は、留まって身を任せる=対処できないとします。)

 

 

 3.経済の変動:これが尤も生起確率の高い事象でしょう。現政権が声高に叫んでいる2%インフレが持続的に実現するなら、平均余命を迎えるころには、2倍前後の物価水準となります。インフレ率と預金金利との相関は見通すことが困難ながら、正の相関を仮定したシミュレーションを行うこととします。

 

 最近、「老後老後、老後の計画!」とファイナンシャルプランナー等々が、見通しを述べていますが、インフレ率を想定したものは殆ど目にしません。これはあり得ないことだと思います。平均3%のインフレが継続し、年金制度改定により現在のマクロ経済スライド制度よりも需給年金額が悪くなることも当然考えてシミュレーションし自分が生きながらえるかもしれない年齢まで経済的に破綻しないことが必要となります。

 

 

 4.健康:幸か不幸か、疾病を罹って短期間で死亡するのであれば 甘受するほかにありませんので、考慮しようがありません。問題は、地獄の沙汰も金次第ではありませんが、高額医療によって治癒できる場合を想定しなくてはなりません。世知辛いようですが、所定の金額を超えた場合は健康を取り戻せるとしても諦めるしかありません(往生際は悪いと容易に想像できますが仕方ありません)。

 

 

 極端に過ぎると思われる方もいらっしゃるかと思います。実際、わたしもきちんと考えているかといえば疑問だらけです。

 

 具体的対処策については、個々に述べていこうと思います。

 

(つづく)